前回歯を失う3大要因の中の1つに、歯にかかる力 があるとご説明しました。
そのなかで、食事時にかかる咬む力はさほど問題ではないですが、歯ぎしりやくいしばりによる過剰な力や、歯がなくなったことによる過剰な力が歯を失う大きな要因となっています。
歯ぎしりやくいしばりはといった力は体重の2倍の力が歯にかかりますので、その過剰な力のせいで歯が割れたり折れたり、また顎の骨もどんどん吸収されてしまいます。これもなんとなく想像がつくお話だと思います。
皆さんが一番よくわからないのが、歯がなくなったことによる過剰な力ではないでしょうか・・・
お口の中は顎の関節(顎関節)を中心として、ものを咬んだり、すりつぶしたり、かみしめたりと様々な動きを行います。
また、歯にかかるものすごい力を歯や顎の骨、歯肉などのすべての組織で負担を分散して機能しています。
なので、骨が溶けて歯が1本でも抜けると周りの歯や骨や歯肉が抜けた歯の代わりに咬む力を負担しなくてはならないのです。
面白い例えをすると、会社の中で同じ仕事をする5人のチームがあったとします。その中の1人が突然辞めたとします。
すると、辞めた人の分の仕事を残り4人での分担し請け負わなくてはなりません。もともと5人で行っていた仕事量を4人で負担しなくてはなりませんので、当然残りの人がオーバーワークとなります。
すると、あまりのオーバーワークに耐えきれなくなり、さらにもう1人辞めてしまいます。すると今度は3人で5人分の仕事をこなさなければならず、今まで以上のオーバーワークとなり、体を壊す人が出てきてもおかしくありません。
これはお口の中にも当てはまります。歯が1本無くなると、周りの歯が力を負担します。すると負担に耐えられなくなった歯がだめになり、抜けてしまいます。すると・・・ますます残りの歯に負担がかかり、次々に歯がだめになっていきます。
最初は1本の歯がなくなっただけなのに、適切な治療や力のコントロールが行われなければドミノ倒しのように次々に歯がだめになっていき、気がついた時には歯がほとんどなくなっていたということになりかねないのです。
皆様も大切な歯を守るために日々のクリーニングと定期的な検診を怠らないようにしましょうね。