マウスピースで矯正治療
最近めっきりと秋らしくなってまいりました。
秋と言えば食欲の秋、そして芸術の秋ですよね
芸術の秋にちなんで、歯科での歯に対する芸術性ということを考えてみると、歯の見た目や歯並びの分野である審美治療や矯正治療が当てはまると思います。
歯の形や歯並びは一人一人違いますし、その人の骨格にあった歯並びや歯の形があり、その形状は見た目の印象を左右します。
そして、白くてきれいに並んでいる歯は、それが天然歯であっても、被せものであっても、その人にぴったりと合っていればそれだけでその人の魅力となり、思わず目が吸い寄せられてしまいますよね。まさに芸術品のようです。
自分の歯並びが悪かったり、機能的にきちんと噛めなくて困っている方で、矯正治療を考えられたことがある方は多いと思います。
しかし、歯並びを変えるとなると・・・歯の表面に金具をつけなくてはならないんですよね・・・とか、痛そうですよね・・などという患者様の声をよく耳にします。
通常、歯並びを治す場合、矯正治療で時間をかけて自分の歯を理想的な位置まで動かしていくか、歯を削って理想的な形や大きさの被せものを被せて歯並びを治す、またはその2つを併用して治療していくという方法があります。
矯正治療では、自分の歯を時間をかけて動かしていきますので、歯を削ったりしなくてすみます(歯を並べるために抜歯をする場合はあります)。
また、最終的には自分の歯がきれいに並ぶので、自然な仕上がりです。
一方、被せもので歯並びを治す場合は歯を削って被せるため、削る歯が健康な歯で、何の被せものもしていない場合でも削らなくてはならない可能性があります。(削る量は現状の歯並びの状態によります)
しかし、矯正に比べると比較的短時間で治療は終わり、元々の歯の大きさや形を変えたい場合は矯正治療だけでは歯の形や大きさは変えられませんので、歯の形状や大きさを変えたい方や、治療期間を短くしたい方、歯並びを整えたい箇所に既に被せものが入っており、大幅に歯を削る必要の無い方などは被せ物で治療する場合が多いです。
単純に歯並びをきれいにしたいと考えた場合に、上記の2つの治療方法をくらべると、矯正治療の方が時間はかかりますが歯には負担が少ないと言えます。
患者様が矯正治療を考えられた時にネックとなるのが治療期間と、矯正器具の見た目ではないでしょうか。
通常の矯正治療は、歯の表面にブラケットという金属またはプラスチックでできた物を装着し、金属のワイヤーを歯の表面に固定し、これらのものは自分で取り外すことはできません。
また、歯の表面に矯正装置が固定されているために歯ブラシがしにくく、きちんとしたお手入れをしないと虫歯などのリスクが高まってしまいます。
矯正治療をされる場合、長い治療期間歯の表面の矯正装置とずっと付き合っていかなくてはならないので、それを考えただけで矯正治療に踏み出せない方が多いと思います。
そんな方にとても喜ばれているのが、マウスピース矯正です。歯を削らずに自分の歯を透明で薄いマウスピースで動かしていくので、歯に優しいです。
また、透明で薄いマウスピースをはめておくだけなので、見た目はほとんど目立ちません。そして、自分で取り外し可能ですので歯ブラシなどのお手入れもしやすいのがメリットです。
しかしながら、固定式のマウスピースとは異なり、マウスピースをはめていなければ矯正力が働かないため、患者様自身が1日の装着時間(約20時間)をきちんと守らないと矯正期間がのびてしまう可能性があります。私自身も通常の金具を装着するタイプの矯正と、マウスピース矯正の両方の体験がありますが、やはりマウスピース矯正はとても精神的負担が少ないように感じました。目立たないので日常生活において何のストレスも感じませんでしたし、歯ブラシなどのクリーニングがしやすく、虫歯などにもなりませんでした。
機能的で美しい歯になるために行う矯正治療は、長い治療期間がどうしてもかかってしまいます。その期間を少しでもストレスフリーにすることが出来れば前向きに治療することが出来るのではないでしょうか。ご興味のある方はマウスピース矯正が適応可能かどうか、ぜひ歯医者さんに相談してみて下さいね。