歯周病と全身の病気
歯周病予防というと、お口の中だけのことのように思われがちですが、実は歯周病予防が全身の病気の予防にも繋がることをご存知でしょうか?
言い換えますと、お口の中の歯周病が進行したり、悪化したりすると全身の病気を引き起こしたり、悪化させたりするのです。
歯周病は細菌感染によって引き起こされる感染症であり、その菌や菌が出す毒素がお口の中から唾液や食物と一緒に体の中へ入ります。
では、どんな全身疾患に影響があるのでしょうか。
狭心症・心筋梗塞→歯周病菌の刺激により動脈硬化を誘導する物質が出ることで狭心症や心筋梗塞を引き起こしたり悪化させたりする
脳梗塞→歯周病菌の刺激により脳梗塞を引き起こしたり悪化させたりする・歯周病の人はそうでない人に比べて2.8倍も脳梗塞になりやすい
糖尿病→歯周病菌の出す毒素が血液中に入り、血糖値に悪影響を及ぼす・歯周病が改善されると糖尿病も改善される
妊娠性歯肉炎→妊娠中に増加するエストロゲンの影響で歯周病菌の働きが活発になり、歯ぐきに炎症を引き起こす
低体重児早産→歯周病菌が血中に入り、胎盤を通じて胎児に感染するため、低体重児早産がひきおこされるのではないかと言われている・その危険率は歯周病にかかっていない妊婦さんの7倍にも及ぶといわれ、タバコやアルコール、高齢出産よりもはるかに高いリスクである
関節炎・腎炎→お口の中に存在する細菌が血液中に入り込んだり、歯周病菌が作り出す炎症物質が関節炎や腎炎を引き起こす
メタボリックシンドローム→歯周病菌の出す毒素がインスリンの働きを悪くし、血糖値を上昇させる
誤嚥性肺炎→お口の中の歯周病菌が気管や肺に入って肺炎を引き起こす
こんなにたくさんの全身の病気に歯周病が関係しているなんてびっくりですよね。
歯周病はお口の中だけの病気だと思っていたら、命を脅かすような病気にも影響する可能性があるのです。
いかにお口の中の健康が大切かがわかっていただけたと思います。
お口は全ての生命を維持する為のとても大切な器官です。体を健やかに保つ為の食事を取るという行為はお口から始まります。きちんと噛んで咀嚼をすることで体の中に吸収される栄養の質も変わってきます。
ですので、お口の中の環境を良くすることで、体も健康に保つことが出来るのです。
皆様も、お口の健康・全身の健康のために歯周病予防はしっかり行っていきましょうね。