白いかぶせもの / オールセラミッククラウン
金属を全く使用せず全てセラミックで出来た天然の歯のような白いかぶせ物です。このかぶせ物の最大の特徴は、他の素材に比べて天然歯に最も近い色調と透明感を表現できることです。
奥歯にも対応でき、美しさと機能面を兼ね備えております。また生体親和性が高いため、体に優しく金属アレルギーの心配もありません。
セラミック素材には、主に2種類の素材「ジルコニア」や「ニケイ酸リチウムガラスセラミック(e.max-イーマックス)」等を使用しています。
ジルコニアクラウン
▲ジルコニアクラウン
医療用の人工関節やスペースシャトルの素材にも使われるジルコニアは、生体に優しく光を透過し、自然な色調と質感をもたらします。ジルコニアクラウンには主に2種類があり…
- ①ジルコニアのキャップにセラミックを焼き付けたクラウン
- ②冠すべてがジルコニアで出来たフルジルコニアクラウン
…があります。①は主に審美性が求められる前歯に、②は噛む力の強い奥歯に使用されます。いずれも強度や審美性があり、美しいオールセラミッククラウンを製作できます。
イーマックスクラウン(e.maxによるニケイ酸リチウムガラスセラミック)
▲イーマックス(プレス法)
スイス・チューリッヒのメーカー「イボクラービバデント社」が開発した「二ケイ酸リチウムガラス」という次世代の素材を含んだセラミックです。イーマックスクラウンも主に2種類の製作方法があり、
- ①e.maxのキャップにセラミックを焼き付けたクラウン(キャスト法)
- ②e.maxの塊(ブロック)から削りだしたクラウン(プレス法)
…があります。どちらもケースに合わせて奥歯・前歯に使用できます。
スペシャルセラミック・コース
代官山デンタルサロンでは通常のセラミッククラウンの他に、より審美的なスペシャルセラミックの治療コースをご提供しております。より審美的で自然に近いものを好まれる方にご好評をいただいているオールセラミッククラウンです。
患者さんのご希望をトップセラミストの歯科技工士が、より審美的な色・形・質感・デザインなどを考慮して製作いたします。歯科技工士の作品例は、実際のサンプルや症例写真をご覧いただけます。詳しくはお問い合わせください。
メタルボンドクラウン
セラミッククラウンの中でも歴史があり、医学的根拠(エビデンス)が安定している治療方法です。
金属のキャップにセラミックを焼き付け製作され、土台の歯にもよくフィットし適合性が高いので、まだまだ人気のあるクラウンです。
- メタルボンドクラウンは、歯ぐきの境目が黒くなりますか?
- 当院ではメタルボンドでも境目が黒くならないような技術があります
よくメタルボンドクラウンは「歯と歯ぐきの境目に入れ墨のような黒い色素が沈着する場合がある」と言われることがあります。一般的なメタルボンドは経年変化とともに歯ぐきが下がったり金属の縁(ふち)が歯ぐきから透けて黒く見えたりすることもありますが、当院では歯ぐきを黒く見せない技術「ポーセレンマージン」と呼ばれる技術で、メタルボンドクラウンのデメリットを解消しています。
ポーセレンマージンとは
メタルボンドクラウンの縁の部分までにセラミックを盛り付ける技術です。これにより、金属の色が歯の根元の歯ぐきに透けるのを防ぐことができます。
別名「カラーレスメタルボンド」「フルベイク」等とも呼ばれ、この技術は歯科医師の形成技術と歯科技工士の細かい技術が要求されます。また、メタルボンドクラウンは歯科技工士さんの腕(技術力)が顕著に出やすいクラウンでもあり、品質は歯科医院によってばらつきがあります。詳しくはお問い合わせください。
セラミックブリッジ / 白くて強い材料で作るブリッジ
ブリッジとは、上記でご紹介したクラウンを連結した応用治療で、歯が無くなってしまった場合に、両隣りの歯を削って土台を作り、橋渡しをするように人工の歯を入れて歯の欠損部分を回復するものです。
ブリッジは両隣の歯に大きな負荷がかかるので、従来は強度の面から主に金属が使用されていました。しかし、最近では審美性に配慮し、白くて強度に優れた材料を使用してブリッジをつくることが可能となり、金属アレルギーの心配もなく、見た目にも美しくて体にやさしい治療を行うことができます。
ブリッジは入れ歯とは異なり、取り外し式ではなく固定されているので違和感なく使用できますが、支えとなる歯の状態や、歯の欠損している場所によってはブリッジを適応することが難しい場合もありますので、ブリッジが可能かどうかの検査を行う必要があります。
提携歯科技工所とセラミストについて
審美歯科医より
当院での審美歯科治療は、高い技術で自然な美しい歯を製作することのできる歯科技工士にお願いをしております。
このようなセラミックの歯を自然な色合いや質感で審美的に製作できる歯科技工士は「セラミスト」と呼ばれます。
当院では患者さんのお口のケースに合わせて、数社のトップセラミストと提携し、高品質のセラミック歯をご提供いたします。
事前に仕上がりイメージを確認できます
「シェルテック」「ワックスアップ」による前歯の術前シミュレーション
当院では、前歯のセラミッククラウンやラミネートベニアの治療前に、術前に仕上がりイメージを確認できる「シェルテック」と「ワックスアップ」による術前シミュレーションを採用しております。
シェルテックとは
▲当院製作のシェルテック
実際に患者様のお口の中でシミュレーションができます。
患者さんの歯型をもとに、石膏模型から治療箇所をプラスチックレジンでご希望に近い形に事前に仕上げ、それをお口にあてがってご確認いただきます。
別名、モックアップ、テンポラリークラウンとも呼ばれます。
ワックスアップとは
▲当院製作のワックスアップ
患者さんの歯型をもとに、石膏模型から治療箇所を白いワックスでご希望に近い形に事前に仕上げる術前模型です。
歯並びによっては形成しないとはまらないシェルテックもありますので、その場合、このワックスアップにより、模型上でご確認いただきます。
当院では、この模型上でのワックスアップやシェルテックによる術前シミュレーションには時間をかけており、患者さんのイメージ通りの歯並びや形態になるように努めております。
前歯の審美歯科治療の流れ
初診相談・カウンセリング
最初に歯科医師によるカウンセリングをお受けいただきます。お悩み・症状・ご希望を伺い、治療プランとおおよその金額をお伝えいたします。
この日は、治療プランをお持ち帰りいただき、ご納得していただいて上で治療スタートするかどうかをお決めいただいております。
*ご希望によりSTEP2を同時に行う場合もあります
術前シミュレーション用の歯型取り(印象採得)
患者さんの現在の歯の状態を型取りし、石膏で模型を作ります。
その模型を元に、術後のシミュレーション模型「シェルテック」または「ワックスアップ」として歯科技工士に製作依頼します。
術後イメージの確認
歯科技工士に依頼した「シェルテック」または「ワックスアップ」が約1週間後に出来上がってきます。
シェルテックは、現在の前歯に覆うように白いレジン素材で作られますので、実際に形成前に装着いただき、鏡でお口元を確認していただきます。
ワックスアップは、大きく歯並びを整えたい場合に、シェルテックの装着が難しい場合に用います。白いワックスで前歯を作成しており、手に取ってイメージをご確認いただきます。
いずれも術後のご自身のセラミック歯が想像しやすくなります。シェルテックやワックスアップは、治療スタートの判断材料として、患者さんがお持ち帰りいただくことも可能です。
治療スタートの決定、診査・診断と仮歯(テック)の製作
治療をスタートしたいとお決めになられましたら、口腔内の写真撮影・虫歯、歯周病のチェック・レントゲン撮影などを行い、必要に応じて虫歯の治療を先に行います。
この時点で、最終的なセラミックの歯が入るまでの期間に使用するキレイな仮歯(テック)の製作を歯科技工士に依頼します。
形成・色合せ・歯科技工士へ発注・仮歯(テック)の装着
ここで最終歯のセラミックをセットするための、歯の形を整える形成作業を行います。キレイに装着するためには審美歯科医の丁寧な形成がかかせません。形成時には無痛麻酔を使うので痛みの心配はありません。
形成後に再度、歯型を採得し、その歯型とご希望の歯の色のデータを歯科技工所へ送り、最終的なセラミック歯を製作依頼します。
製作中は、歯科技工士が事前に作っておいたキレイな仮歯を付けていただくため、治療期間中も見た目にお困りなくお過ごしいただけます。
セット・完成
1週間~10日程度で歯科技工所から最終的なセラミック歯が到着します。試しつけ・調整をおこない、この時点で、バランスや色などを確認します。できあがったものにご納得いただければ、最終的に接着し完成です。
接着セット後も経過予後の確認のため、1~2回ほどの受診が必要な場合があります。
術前シミュレーションを行う歯科医院は限られています
シェルテックは術前のシミュレーションに使うご説明用の仮歯です。別名「モックアップ」とも呼ばれ、アメリカ・ヨーロッパ等の審美歯科医院では、前歯の審美治療前にこの「モックアップ」をすることが一般的です。手間暇がかかる分、日本国内の歯科医院では、この術前シミュレーションのシェルテックをする医院は限られています。
オールセラミッククラウン関連 ブログ記事
- 金属よりも強くて白い被せもの・ジルコニアクラウン
- http://daikanyama-ds-blanche.com/blog/213/
- 歯の被せものと歯茎の隙間・段差について
- http://daikanyama-ds-blanche.com/blog/262/