意外と若い人にも多い歯槽膿漏・歯周病
歯槽膿漏(しそうのうろう)という病気をご存知ですか?言葉自体は、コマーシャルなどでよく耳にする方も多いかと思いますが・・・おもしろいことに、こんなに浸透している言葉なのに、歯科の世界では歯槽膿漏という病名は存在しません。
漢字からすると、歯の周りの骨である歯槽骨(しそうこつ)から膿が漏れ出る・・・という状態を表しているのだと思いますが、歯科ではそういった状態を歯周病(ししゅうびょう)と定義しております。
さて、今日の本題の歯周病ですが、皆様なんとなくお年寄りがかかる病気だと思っていたり、歯茎がじくじくして膿みが出てきたりする状態をイメージされている方が多いように思います。
しかしながら、歯周病は高校生などの若い世代にもかかりうる病気ですし、実際20代30代の歯周病患者様も多くいらっしゃいます。
また、歯茎から膿みが出る状態や自覚症状が出る場合は歯周病が進行している状態ですので、気がついた時にはすでに重度の歯周病である場合も少なくありません。
代官山デンタルサロンに初診でいらっしゃった患者様の場合、まずお口の検査と必ず歯周病の検査を行います。歯周病の検査というのは主に歯茎の状態のチェックと、全ての歯の周りの歯周ポケットの計測を行います。
歯周ポケットという言葉は何となく聞いた事があるかと思いますが、実際には何のことだかよくわからないという方が多くいらしゃいます。
歯周ポケットとは、簡単に言うと、歯と歯茎の間の隙間のことです。
上の絵のように、歯周ポケットと呼ばれる溝に、プローブいう器具をやさしく挿入して歯周ポケットの深さを計測します。
歯周病は虫歯と違って、歯自体を破壊するわけではありません。歯周病は歯の周りの歯槽骨(顎の骨)や歯肉など、歯が健康に機能するために必要不可欠な組織を破壊する病気です。
歯周病にかかると、歯が植わっている骨や歯茎を破壊しますから、歯と歯茎の溝である歯周ポケットがどんどん深くなっていきます。
ですので、歯周ポケットが深くなればなるほど歯周病は進行しているということになるのです。
代官山デンタルサロンに最初にいらした患者様には全員、歯周病の検査を行います。すると、多くの方が歯周病を自覚していないにもかかわらず歯周病に感染していることが発覚します。
特に若い方はまさか自分が歯周病だなんて・・・と、とても驚かれます。
まず、歯周病とはどういう病気なのか、歯周ポケットとは何なのか・・・ということをしっかりご説明させていただくと、だいたいの患者様は歯周病についてはおろか、歯周病に対する治療法や予防方法も知らない方がほとんどです。
代官山デンタルサロンでは、患者様に病気のメカニズムから検査方法、治療法、予防方法までじっくり学んでいただきます。
歯周病という病気は歯医者さんだけでは治せません。治療には患者様自身が行う毎日のホームケアなどが絶対不可欠だからです。
なので・・・患者様自身に正しい知識を持っていただきたいのです。
初めて来院されて、検査のあとに院長の私が授業のように歯周病の説明を始めると、みなさん他の歯医者さんとは違うと仰られて、とても驚かれます。
しかし、最初驚かれていた患者様も、最後のほうには食い入るように御自身のレントゲン写真を見つめて、歯周病を治そうという気持ちがわいてくるようです。
こういった自分で病気を治そうという気持ちが治療にはとても大切ですし、そういう気持ちを引き出すお手伝いをさせていただくのも歯科医師の大切な使命なのではないかと思っております。
歯周病に限らず、きちんと自分の病気を把握して治していこうと思われる方は是非代官山デンタルサロンにご相談下さい。