糖尿病と歯周病の深い関係
糖尿病と聞くと、年配の方がかかる病気だから自分には関係ないや。。。
などど思われがちですが、生活習慣病の一つでもある糖尿病は若い世代の人にも増えています。また、女性は、妊娠を期に妊娠性糖尿病にかかってしまう場合もあります。
糖尿病にかかると、体の細菌への抵抗力が落ち、傷の治りが遅くなったり、血糖値をコントロールするインスリンの働きが弱くなり血糖のコントロールがうまく出来なくなります。
すると、糖尿病3大合併症を引き起こす可能性が高まります。(糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害)
具体的には、失明したり、透析を受けなくてはならなくなったり、神経痛や排便障害などがおこるようになるのです。
そんな恐ろしい症状を引き起こす糖尿病ですが、実は歯周病とも深く関わっているのです。
よく、歯医者さんにいくと最初に問診表を記入すると思います。その時に全身の状態を訪ねる項目で糖尿病の既往の項目を目にされたことがあるかもしれません。
どうして糖尿病の既往を聞くのかというと、糖尿病にかかっていると、歯周病が進むスピードが普通の人の3倍にもなり、逆に、歯周病にかかっている人は歯周病菌の作り出す毒素によってインスリンを出にくくしてしまうので糖尿病が悪化し易くなってしまうのです。
ですから、歯医者さんと糖尿病は全身の病気のなかでも関わりが深いと言えます。
歯科での糖尿病患者様へのアプローチとして行われることは、徹底したプラークコントロールです。
歯科衛生士さんに歯ブラシの選び方と使い方を教えてもらい、ホームケアが自分できちんと出来るようにします。
次に自分では落とせない汚れを歯医者さんで取り除きます。
PMTCと呼ばれる専門的な機械と薬剤を用いて、細菌のつくったバリアの膜を破壊します。そうすることでお口の中を綺麗な環境に保ち、自分でのケアを効率良く行えますので、お口の中の細菌が繁殖しにくくなります。
糖尿病と歯周病は相互に深い関わりがあり、どちらかが悪化するともう片方に悪影響を及ぼしますので、きちんとしたコントロールが大切となってきます。
歯科における定期検診・クリーニングと、医科に置ける血糖コントロールをきちんと行うことでリスクは減らせますので、お口の中と体の中からのアプローチをきちんと行っていくことが治療の重要な要となるのです。